規模を知る
帰宅するか留まるか。
その判断の一つとして、
これらで帰宅すべきかを判断します。
ネットやラジオで気象庁や民間気象業者の発表を確認できますが、
初報は実際の規模とは異なる場合がありますので、
あくまで状況把握と一時避難の判断材料にします。
例えば、
マグニチュード:7.3
深さ:30km
最大震度:7
この地震に勤務地の新宿で遭遇した場合。
自宅は千葉県船橋市とします。
新宿の被害も甚大なことが予想されますが、
船橋まで帰宅するには、隅田川・荒川・新中川・江戸川と橋を渡る必要があります。
災害時に橋を渡ることは容易ではありません。
ただでさえ橋は少ないので、帰宅者が集中し時間を要します。
橋の手前は混乱に陥ります。
そして、途中の江東区や江戸川区は海抜が低いため水没の可能性もあり、
水没は免れていても液状化現象の発生も考慮されます。
このケースの場合、
橋を複数渡る必要があり、かつ震源に近い方向へ帰宅することになります。
家族や自宅が心配であることは想像に難くありませんが、
おそらく帰宅までは相当の困難が待ち受けており、
途中で火災など二次災害に巻き込まれることを考えると、
自身の生存が危ぶまれる恐れすらあります。
《判断ポイント》
【震源地】:今いる場所から近いか、遠いか。
⇒近い場合は、余震や火災、建物の倒壊など二次災害に危険があるため、
より安全な場所へ迅速に避難する必要がある。
⇒遠い場合は、建物の倒壊は多くない可能性があるため、
一時避難を行い、そこで帰宅するのか留まるかを判断する。
【マグニチュード】:7を超えているか否か
⇒震源の遠近にかかわらず、マグニチュード7を超えている場合、
多少なり被害が出ている可能性あり。
特に震源の近くは大きな被害となっているため、帰宅判断の材料とする。
ただし、2004年の新潟中越地震はマグニチュード6.8でしたが、
直上の地域では多大なる被害が出ていますので、あくまで7は最初の判断値としたほうがよいでしょう。
【震源の深さ】:浅いか深いか
⇒深さが50㎞より浅い場合は震源の上部では大きな被害になりやすいですが、範囲は限定的になりやすいです。
震源が深くなればなるほど、地表での被害は少なくなりますが広範囲で大きな揺れとなります。
上記3点をパニック時に判断できるか難しいかもしれませんが、
普段から判断基準を持っているかどうかで、行動は変わります。
初報、そして続報と情報を確認していくことが大事です。
規模の大きい地震の震源に近い場所へ向かうのは困難度が増しますので、
その点は特におさえておきましょう。