どこへ避難すればよいか
すぐに帰宅することが難しいレベルの災害では、一旦どこに避難することになります。
では、大地震の後でパニックの中、
人の心理としては外に出たくなります。
そして、何が起きているかを把握しようとしますが、外にとどまり続けるのは危険が伴うことがあります。
しかし、この場面で普段からシミュレーションをしたことがあれば次の行動に移すことが可能です。
ビルのそばにいれば余震で窓ガラスや壁面の落下による危険。
家屋密集地域であれば火災。
低地であれば水害など。
一時避難場所は区などで指定されていますので、知っていればそこに向かえばよいわけですが、果たしてその場所は安全なのか疑問もあります。
自宅や勤務先など1日のうち滞在する時間が多い場所では必ず一時避難場所を確認はしますが、その先の安全性についても考えてみましょう。
四方を家屋に囲まれた学校に避難した場合、
大火災によって家屋が延焼してしまうと学校が火に囲まれてさらに避難することが出来なくなる可能性も出てきます。
避難場所として、水害から逃れる場合は一刻を争いますので鉄筋の高さがあるビルなどへの避難を余儀なくされますが、
水害の危険がない地域であれば、火災から逃げるという意識を持って避難しなければいけません。
なるべく広大な緑地、公園など極力火災ダメージの少ない場所へ避難することを考えましょう。
東京都心の場合、
都心であれば、最長3〜4km程度の距離で広い場所がありますが、問題はその周囲。
特に環七沿いを中心に家屋が密集しているため、なかなか広い空間がありません。
学校敷地と同等レベルの広さの公園は大火災の場合あまり意味が無くなるかもしれませんので、極力密集地域外への避難が重要です。
(低地の場合は高さが重要なので広い場所に高度があればベストですが、無い場合は高い場所へ避難です)
都心の西側であれば、
西ヶ原周辺、光が丘公園、石神井公園、井の頭公園や砧公園程度の広さがより安全に近いように思います。
要は、環八まで逃げなければいけなくなるわけです。
環七から環八まで徒歩では30分以上かかる場所がほとんどです。ましてや災害時です。通常より時間がかかることを想定して1時間とします。
火災は地震直後から発生しますが、延焼し大火災になるまで多少の猶予があります。
風や乾燥など状況次第ではあるものの、2時間までがラインでしょう。
とすると、
物が散乱した部屋の片付けや、外にとどまるのは危険度を高くするだけです。
なるべく早く、上記のような広さのある場所への避難を開始することが、身の安全度を高めることに繋げます。
都内の東側は高さがポイントになります。
火災まで考慮すれば、山の手側の高台へ到着できればベストでしょう。
そこから水害を気にせず移動が可能だからです。
目安は京浜東北線。
神田や新橋付近など、さらに西へ移動する必要がある場所もありますが、京浜東北線は崖沿いに走っていることが多く、西側は高台になっています。
そこまで素早く逃げられるなら、一目散に移動しましょう。
それが難しい場合、東側の高台は市川、松戸まで移動する必要があります。
東京側から目指す場合は江戸川を素早く渡れるかが分かれ目になるため、
西側も東側も難しい場合は、鉄筋で高さがある建物を目指して避難しましょう。
ただし、避難後も大火災の可能性は常に意識しておくことが重要です。